「四方よし」のお手伝い

社長さんと社員さんが共にWinWinの関係となる。近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)と重ね、「四方よし」の関係づくりのお手伝いをしたいと考えています。このブログが何かの参考になれば幸いです。なお、記事の法令等に関わる記述は、執筆当時に施行または施行予定だった内容で、その後の改正に対応してない場合がありますのでご了承ください。

組織における心理的安全性③ ー心理的安全性とチーム力ー

 

 

活性化するチーム

前回は、心理的安全性のない組織でのリスクについて、航空機事故を例に紹介しました。また、心理的安全性の高いチームでの効果について触れました。今回は、心理的安全性とチームの活性化について。

 


心理的安全性って、仲良し職場なの?


 「心理的安全性」という言葉のイメージから、安全で楽しい集まりと捉えられる”誤解”もあるようです。もちろん、チームのメンバーの仲が良いに越したことはないですね。Googleのチーム研究の例でご紹介しましたが、生産性が高く成果を上げているチームでは、心理的安全性というしっかりした土台が築かれていました。企業内にあるチームであれば、関係性が良いだけでは成り立たず、なんらかの組織的成果(業績)を上げていくことが求められます。そうでないと組織自体が存続できません。関係性と成果を両方高めていこう、というのが組織における心理的安全性を保つ目的です。

 

あなたは、どの職場で働きたいですか?

 下図をご覧ください。心理的安全性と仕事の基準の関係をマトリクスにして表したものです。
<キツい職場> 仕事の基準が高く求められることも大きいのに、心理的安全性が低い

                               状態。ノルマや叱責によるマネジメントの下、不安を抱きがちな職場

                               です。
<サムい職場> 仕事で求められることは小さいが、心理的安全性が低い職場。仕事の

                               改善提案などをしても無視されたり批判されるので、モノ言わずに指

                               示されたことだけをやっている、そんな職場です。
<ヌルい職場> メンバーの関係性が良く、何を言ってもOK。失敗にも寛容。仕事で求

                               められることもそれほど高くないので楽だけど、充実感や成長実感を

                                持ちにくい職場。
<学習する組織> 心理的安全性を土台にして、発言や質問がいつでもできて、自分の

                               意見や提案が発信できる。職場の目標は高めに設定されているが、チ

                               ーム全員で共有して取り組むので、やりがいがある。


 ※「学習する組織」は、チームの成功や失敗など実践から生きた学習をし合う組織のことです。

 

心理的安全性と仕事の基準> 

     (石井遼介「心理的安全性のつくりかた」/日本能率協会より)

 

        仕事の基準/Standard

      低い

      高い

 

 理

 的

 安

 全

 性

高い

   ヌルい職場

 コンフォートゾーン

 仕事の充実感はない

   学習する組織

 学習して成長する職場

 健全な衝突と高いパフォーマンス

  低い

  サムい職場

 よけいなことはせず

 自分の身は守る

  キツい職場

 不安と罰によるコントロール

 

 

 

心理的安全性とチームの生産性


 心理的安全性のある環境では、チームの生産性が高まります。なぜなら、心理的安全性がある環境では、メンバーがアイデアを提供し合い、意見を交換し合い、議論を行い、問題解決に取り組むことができるからです。また、メンバー同士の信頼関係が高まり、協力し合いやすくなります。

 

★★次回からは、「心理的安全性の作り方」について考えていきます★★