「四方よし」のお手伝い

社長さんと社員さんが共にWinWinの関係となる。近江商人の「三方よし」(売り手よし、買い手よし、世間よし)と重ね、「四方よし」の関係づくりのお手伝いをしたいと考えています。このブログが何かの参考になれば幸いです。なお、記事の法令等に関わる記述は、執筆当時に施行または施行予定だった内容で、その後の改正に対応してない場合がありますのでご了承ください。

職場におけるパワーハラスメント その傾向と対策

è·å ´ãããã»ãã¯ãã©ã®ã¤ã©ã¹ãï¼ç·æ§ï¼

労働相談 トップはパワハラ 過去最高の8万3千件

 厚生労働省は6月26日、2018年度の総合労働相談の結果を公表しました。それによると2018年度の総合労働相談のうち個別労働紛争にかかわるものが266,535件、このうちパワハラなど「いじめいやがらせに関する相談」が82,797件とトップでした。(構成比31.0%) 昨年より14.9%増加し、過去最高の件数となりました。

いったい何が職場で起こっているのでしょうか?!

 ハラスメントに対する認識が広まり相談しやすくなった、ということも言えますが、人手不足が深刻化する中で労働現場でのコミュニケーション不足やストレスも大きくなっているのかもしれません。

 こうした社会的な変化の中、ハラスメントをなくし労働環境を整えていくことが企業に求められています。事業主のパワーハラスメント防止措置の義務化する法改正がありました。

 

報道

www.asahi.com

厚労省の発表 ↓

 https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000213219_00001.html 

 

パワーハラスメント防止、事業主に義務化

 事業主に職場のパワーハラスメント防止対策を義務化した改正労働政策総合推進法等の法案が、5月に成立しました。職場におけるパワーハラスメント(以下、パワハラと言います)は社会問題化していますが、これまで法律上明確な定めがありませんでしたが、明文化されたことになります。今回の法改正で、パワハラ紛争を都道府県労働局長による解決援助と紛争調整委員会による調停対象とすることも決まりました。

 

報道

www.asahi.com

パワハラって? 

 パワハラの定義として、①優越的な関係に基づく、②業務上必要かつ相当な範囲を越えた言動により、③労働者の就業環境を害すること(身体的もしくは精神的な苦痛を与えること)――の3要件を含むものとしました。

 ここで言う「優越的な関係」とは、

必ずしも<上司→部下>でないことが重要なポイントで、

<先輩→後輩>や<部下→上司>と言う場合もあります。

職場で、実質的にパワーを持っている人が、そのパワーを不適切に使用した場合ということが言えます。

 また、「業務上必要かつ相当」というのが、だれもが業務上必要な指導の範囲だ、と認めうるのか、それを逸脱したものなのかと言う点も、パワハラか否かの争点となります。業務上指導のあり方の基準を作り、管理職への教育、意識改革をするめていくことも企業に求められる事項と言えます。

f:id:kakagi0323:20190629193413p:plain

同僚同士のハラスメントもNG

事業主に求められること

 事業主に義務化するパワハラ防止対策の内容は、今後、厚生労働省が作成する「指針」で示すことになります。具体的には、事業主方針の明確化、相談体制の整備、紛争の事後対応、プライバシー保護などが中心となると思われます。

また、昨今問題となっている、カスタマーハラスメントや就活生に対するセクシュアルハラスメントも対象とすると言われています。参議院の附帯決議でも「従業員等に対する悪質クレーム等により就業環境が害される事案が多く発生していることに鑑み、…その防止に向けた必要な措置を講ずる」と政府に対応を求めています。

 

セクハラ防止対策も強化

 一方、セクハラ防止対策の強化(男女雇用機会均等法改正など)では、①国、事業主および労働者の責務の明確化、②労働者が事業主にセクハラ相談をしたことなどを理由とする事業主による不利益取扱い禁止――を追加して規定しました。

 同じく近年、社会問題化している就活生に対するセクハラ防止に向けても何らかの対応策を示す予定です。就活生は労働者ではないのですが、「求職者」と位置付ければ防止対象に含めることができるという考えです。

 

ILO、ハラスメント防止の国際条約案を可決

 職場におけるハラスメントは日本だけでなく世界でも問題となっています。国際労働機関(ILO)は、先の総会で職場でのハラスメントや暴力を全面的に禁止する国際条約を可決しました。日本政府のこの条約批准への態度はまだ定まっていませんが、批准すれば国内法制の整備が求められます。いずれにしても「ハラスメントのない職場をつくる」ため、政府や事業主の努力が求められることは国際的な流れとなっていきます。折から、外国人雇用に関する法改正(2019年4月施行)された日本においては、受け入れる外国人も安心して働ける労働環境づくりの一つとして、ハラスメント防止対策の推進が求められます。

 報道

www3.nhk.or.jp

 

経営理念としてもハラスメント対策に本腰を!

 このように、企業のハラスメント対策は、企業としての基本方針を定め、体制を整えて、管理職をはじめ全社員の意識改革を進めながら、ことが起こったときに揺るがず原則どおりに対応し、「ハラスメント、NO!」を徹底できるかどうかが重要です。今一度、「わが社の現状」を分析し、経営理念としてハラスメント防止(「=働きやすく従業員のモチベーションの高い企業づくり)を位置づけ、必要な方針・ビジョンと対応策づくりを進めていくことが肝要です。