留学生を雇用する際の留意点について
⭐️留学の本来の目的「勉学・研究」がおろそかにならないように✨
ラーメン「一蘭」社長、書類送検
昨日(3月6日)の新聞各紙が、大きな見出しで報道しています。容疑は留学生のアルバイト雇用に関する入国管理法違反と雇用対策法違反容疑です。毎日新聞電子版の記事によれば、ラーメン一蘭の大阪市内の2店で雇用されていた留学生は550人で、入国管理法で定めれた週あたり実働28時間以内という基準を超える最高で月間164時間も働かせていたということです。留学生の間でも「時給が良い」「長い時間働ける」と”評判”になっていたといいます。違法な雇用が常態化していたものと思われます。
外国人雇用には制限があります
「人手不足の折、採用を急ぎたい」「増え続ける外国人観光客への接客対応で日本語も話せる留学生をぜひ採用したい」と留学生の採用ニーズは高まっています。
しかし、留学生を含む外国人を雇用する場合には、労働基準法などの労働法の適用だけでなく入国管理法などにより雇用規制、労働時間制限があります。採用の際に就労資格などをきちんと確認し、ハローワークへの届け出など適正に処理をしておかないと、違反を問われ罰金や社名公表など大きな痛手を負うことになります。
留学生を雇用する場合の留意点
- 1、まずは、留学生本人にアルバイトすることが「アルバイトの目的は?」「勉学に支障がでないか?」という点をきちんと話し合って、確認しておきましょう。また、留学生だからといって労働条件に差をつける、といったことは許されませんので、労働条件を明記した雇用契約書をきちんと交わしてください。英語表記の契約書または説明書を作成しておくとトラブル防止のためにも良いでしょう。
- 2、「資格外活動許可」を受けている人しか採用できません。採用の際に、必ず資格の確認をしましょう。許可のない人は、たとえどんなに優秀な留学生でも採用してはいけません。
⬇︎入国管理局の解説資料 〜不法就労させると3年以下の懲役・300万円の罰金
http://www.immi-moj.go.jp/seisaku/pdf/2015fuhoushurou.pdf
- 3、採用後、「週あたり28時間」を超えて働かせてはいけません。雇用契約が28時間以内でも、実体として28時間を超えて働かせていれば違法となります。シフト管理や残業などの労働時間管理を”現場”で行うことが重要です。「時間管理は現場の店長に任せていた」といっても悪質であれば経営者が責任を問われます。店長に法規制の意味を理解させ、管理を徹底しておくことが求められます。
⬇️東京労働局のWebサイトから 〜Q3,Q4を参照してください
- 4、上記には例外規定があり、「学校の休業中は1日当たり8時間まで」と緩和されます。夏休み、春休みなどの学校休暇期間については、日程をよく確認した上で就労させてください。
- 5、採用および離職についてハローワークへの届け出が必要です。
違反すると30万円以下の罰金が科せられます。
⬇️厚生労働省のWebサイトより 〜インターネットでの届け出もできます
以上のような点に留意して違法・不法就労とならないようにしましょう。そして、留学生にとっても安心して働くことができれば、その能力を十分に発揮してくれるでしょう。